社長は一番にしつけ・マナーを徹底させなさい。

 

 


◆ 「しつけ・マナー」はすべての基本

みなさんは「しつけ・マナーが徹底している社員」と聞いて、一体、どんな姿を思い浮かべるでしょうか。

私なら、若手社員をお客様先に同行させたとき、彼が少し席を外したすきに「彼は何年目ですか?ずいぶんしっかりしているねぇ」などと、お客様に声をかけていただけるようなふるまいができる社員をイメージします。

私はここ数年来、しつけ・マナーの大切さを繰り返し説いています。

そもそも しつけ・マナーとは、いったいどんなものを指すのでしょうか。「躾」という文字の通り、「身を美しく」するふるまいであり、たとえば食事をする際にも安心で楽しく時間を過ごすことができ、相手を不快にさせないことがマナーといえます。

 

社員のしつけ・マナーが徹底していれば、お客様との契約が途切れることはありません。売上が上がっても契約が打ち切られるコンサルタントがいるかと思えば、10年以上、変わらずおつき合いいただけるコンサルタントもいます。こうした違いは、コンサルタントとお客様との関係によるところが大きいのですが、人柄がよく、しつけ・マナーのきちんとしたコンサルタントは、長くお客様にご支持いただいているようです。

また、しつけ・マナーが徹底している組織であれば、職場でもお互いに不快な思いをせずに済み、円滑な人間関係を構築することができます。しつけ・マナーは、あらゆる人間関係を円滑にする、ベースとなるものなのです。

 

◆ 効率的に欠点を是正するのが先決

「長所伸展法」は、「社会的に許される程度の欠点なら、それを是正しても業績を伸ばすことにはつながらないので、長所を伸ばしたほういがいい」という理論です。


 

しかし、それは「社会人としての失格のレベル」にいる人を含んでいない場合に適用されます。欠点の中にも、社員として許されるレベルと許されないレベルがあるのです。

これまで私は、長所伸展法を説明するために、3つの線を引いていました。

(次頁グラフ参照)

真ん中に「一人前」という線があり、その上に「一流」、そして下に「半人前」という線があります。半人前の線の下にいる人は、社会人として失格のレベルです。このレベルにいる社員は、上に引き上げなければなりません。

たとえば、50人の新人社員が入社したとします。

もちろん半人前より下のレベルを採用しないように面接をします。それでも面接官の目が節穴なのか、面接マニュアルをマスターした応募者の受け答えが巧みなのか、半人前未満の人材が毎年1〜2名は入社してきてしまいます。社会人として許されないレベルの欠点は直さなければ、お客様の前に出せません。

会社に入りたての新人社員は、自力だけでは成長することができません。ですから、会社や上司が、ティーチング(Teaching)によって基礎教育やしつけ・マナーを修得させる必要があります。

しかしここでは、できるだけムダな修業はさせずに、いかに効率的に一人前の段階まで引き上げるかがポイントになってきます。

 

 

◆ 「精神的な鍛練」は一流の社員に有効

お客様から「『技術的な鍛練』と『精神的な鍛練』のどちらが大切か?」としばしば尋ねられますが、答えは「どちらも大切」であり、ポイントは「どの段階で必要か」ということにあると考えます。

仕事は最低限のスキルがないとできませんから、「技術的な鍛練」が必要となるのは初期の段階です。

一人前になって、やがて重要な意思決定や判断を迫られる機会が多くなるにしたがって、「精神的な鍛練」が必要となってきます。

座禅などの精神修養を新人社員にさせる会社がたまにありますが、そういった修業は、むしろ一流の域に達したベテラン社員にこそ有効なのです。