社長は、「バリュー」と「ワーク」の違いを理解しなさい

 

 



◆販売員を半年で一人前にする方法

 商品には、バリュー(Value)とワース(Worthの2種類があります。

 どちらも「価値」という意味ですが、バリューとは「お値打ち商品のように低価格という価値」ワースとは「高品質で価格も高いという価値」という違いがあります。

 バリュー商品は、スーパーの特売品やバーゲン品などが該当します。ワース商品は、「楽をしたい」「心地よくいたい」といった気持ちに応えるような商品です。 

 今はバリュー商品が求められているのか、あるいはワース商品が求められているのかという「時流」を読み解くのも、社長の重要な役割です。

 なぜなら、バリュー商品を扱う店とワース商品を扱う店では、人材育成の方法も変えることが必要であるからです。

 

 最近、リフォーム業界で存在感を増している業態に、「ファストリフォーム」という住宅建材のカタログ・インターネット販売があります。価格競争で勝つために、コストを徹底的に削減する努力をしています。これは一つのバリュー戦略です。

 バリュー商品を提供する会社でよく使われる「パック売り」という考え方は、接客する店長や店員、営業マンに人材育成にも応用できるのではないでしょうか。それは、今まで人材育成に3〜5年かけていたところを、半年〜1年程度に短縮する方法です。

 今の日本経済の状況では、販売員や営業マンを半年で一人前に育てることは、今後1〜2年間の急務といえるでしょう。

 それには「営業ツールの完備」と「基本的な接客応対のマニュアル化」が必要です。それらが準備されれば、7割はマニュアルで対応できます。つまり、営業ノウハウをひとつのパッケージにするイメージです。 

 残り3割にあたる人の心のつかみ方や笑顔の研究などは、研修や経験が必要ではありますが、まずは7割できる販売員や営業マンを半年で育てることができれば、十分戦力として計算できるのではないでしょうか。

 とくにリフォーム業などのように、営業マンの数が売上に直結しやすい業態は効果が見込めます。

 

 ◆ワース商品を売るための人材育成とは

 ワース商品を販売するためには、「相手の心を読む」という能力が必要になります。私が人材登用に関して常に念頭に置いていることは、「素頭(すあたま)」のよさです。

 素頭のよい人は、話をしているときに、相手との心の温度差を読むことができ、お客様のハートをつかむことができます。

 バリュー商品の販売の場合、7割はマニュアルどおりの接客で済ませることができますが、ワース商品を販売する店員は、人間性を養うなど基礎的な修行が必要であり、すぐに育てるのは難しいといえます。ワース商品を扱う店長はなおさら、時間をかけて育てる必要があるでしょう。

 このように、人材育成の方法に関しても、バリュー商品を扱う店とワース商品を扱う店では、分けて考えなければならない時代です。

 両方の商品をもつ企業であれば、どちらに合った人材かを見極め、適材適所で配置することが求められることになるのです。同じ販売員、店長といっても求められるスキルも経験も違いますし、育成方法や期間も異なるのです。


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