社長は、「書く習慣」で変化の兆候をつかみなさい

 

 



社長は、変化の兆候を常にチェックしておきなさい

びっくりするような現象が発生したとき、社長は「こんなとんでもないことが起きている」と驚いているだけではなく、「これから起こる新しいことの予兆だ」ととらえなくてはいけません。これは時流をつかむ上でも、経営を行なう上でも大事なことです。

ある知り合いの男性の話です。

彼は、2008年のリーマンショックをずばり予測したわけではないけれど、「前年の夏ぐらいから、これだけサブプライムローンがおかしくなっているから、必ず金融的な事件が2008年から

2009年までには起こる」と当時から周囲に行っていました。

 そして株などを一番高かったときに全部売り抜け、リーマンショックをまぬがれました。

 他人に見えていない予兆をどう感知できるか。嗅ぎ分けられるか。このような嗅覚をもたないと、会社の存続は難しいのです。

 

 変化の予兆を知るには、さまざまな方法があります。

たとえば、船井幸雄が行ってきた「びっくり現象」を見に行くツアーもそのひとつ。今までのわれわれには理解できないような世の中の変化があったとき、それを否定するのではなく、「これから世の中がどのように変わるかを知るための兆候」と考え、船井幸雄は「びっくり現象」を視察するバス旅行を実施してきたのです。

 

   紫色の口紅が流行した意味は?

私はこれまで「゙ファッズ゙をとらえて流行を予想する」という方法で、新しい時流を予測してきました。

かつてアメリカのフェイス・ポップコーンというトレンド・コンサルタントの書いたレポートと、彼女について評する『TIME』誌の記事を読みました。そこには、「新しいトレンドを見つける天才」と書かれ、彼女のコメントの中にあっだfads゙(ファッズ)というキーワードが目にとまったのです。

ファッズとは、「新しい動き」「時代の風」といった意味があります。船井幸雄が言うところの「びっくり現象」に該当するでしょう。私は、これを「予兆」ととらえました。

びっくりするような出来事でも、それが起きただけで終わることもあるし、それが何かの大きな流行や時流のきっかけになることもあります。いずれにしろ、新しい時代の流行をいち早くとらえるには、ファッズを見逃してはならないのです。

一例を挙げましょう。

昔、紫色の口紅が登場したことがありました。口紅といえば、赤やピンクなど健康的で色気を感じさせるカラーがそれまでの相場でした。

紫色は、寒くて震えているか、健康を害しているようなイメージで、一見、理解しがたい商品でした。しかし、これを「びっくり現象」ととらえるか、それとも「爺」のような目でとらえるかで大差があります。私はこれをファッズとして見てみようと考えました。

すると、その1年後に、ある化粧品会社の口紅のラインナップが79色から179色へと大幅に増えるという出来事がありました。紫色の口紅は、口紅がスタンダードなものばかりだった時代から、多様化していく先駆けになった商品だったのです。

それ以降、プルプルに見せる口紅やラメ入り、水落ちしないものなど、口紅はさらに多様化・多機能化しています。紫色の口紅は1〜2年で消えましたが、このようなトレンドに結びついているのではないかと見ています。

このように、ファッズを探してみると、次の新しい流行をいち早く見つけ、業績向上に役立てることができるのです。

変化の兆候をつかむためには、常日頃から若い人向けの情報番組をチェックしたり、ショッピングセンターの棚や最近ヒットしているものなどに目をとめたりして、流行をしっかりと見ておかなければなりません。

世の中は、何かひとつの変化が起きると、経営や商売のやり方が大きく変わります。何かひとつの変化が起きたり、大きなニュースを聞いたりしたときに、「これからわれわれの業界にどのような影響を与えるのか」「どのくらいのレベルの影響があるのか」を考える必要があるのです。

 

   「書く習慣」を身につけると深く考えられる

では、ファッズをつかむセンスを磨くにはどうすればいいでしょうか。

私の場合は、お客様に向けて、自分が考えていること、現象から感じたことを毎月数十枚ものレポートにまとめて発表しています。だから、日頃から、気づいたことをメモすることが習慣になっています。

他のコンサルタントも、同じように数枚のレポートにまとめて、お客様にそれをFAXなどで情報提供しています。

大事なのは、メモをとる、レポートをまとめるといった「書く」行為です。

人は、「文章を書かないといけない」と思うと、これまで見逃していたような些細なことでも、見方が変わってきますし、ひとつの現象に対して「何でだろう?」と深く考えるようになります。

お客様と話しているとき、街を歩いているときなどに、気になったことや疑問に思ったことをメモやレポートとして書きとめることを習慣にすると、半自動的に思考を巡らすようになり、変化の兆候にも気づきやすくなります。

社長自身がこのように意識して書くことも大事ですし、それを社員に意識づけさせることも情報感度を磨く上では有効です。


AAAA