「数字を見ると、会社の「物語」が浮かび上がる!」

〜稲盛和夫 氏の言行録〜







稲盛和夫氏は、「私は、数字を見ると会社の『物語』が浮かび上がるんだ」と、こともな

げに口にしたのです。今や平成の経営の神様といわれる稲盛和夫氏の言葉は重いのです。

京セラを創業し、世界的なメーカーに育て上げた稲盛氏は、日航再建を陣頭指揮する企業再

生支援機構から請われて平成10年2月、会長に就任した。「80歳近い高齢で、日航を抜本

的に立て直す指導力を発揮できるのか」などと、その手腕を疑問視する声は当初からささや

かれていた。

加えて、「2次破綻」の懸念も指摘されていた。自身も「精神論だけでは、日航のエリート

  はついてこない」と知っていた。しかし、翌月の定例記者会見では、いらだちを爆発させるよ

  うに「日航は八百屋も経営できない」とぶちまけた。痛烈な経営批判だった。就任間もない頃、

日航プロパーの役員が、「航空会社は安全が第一、利益を追うのは、罪悪のようなものです」

と。稲盛氏は色をなして反論した。「利益が出ないと、安全の投資もできないじゃないか」。安

全を破綻経営の言い訳にする態度に「まずは経営陣の意識改革だ」と痛感したという。

当時、日航は月ごとの決算の集計に2〜3カ月かかった。「物語」をすぐにつかむことができ

ず、対策を打てないもどかしさがあった。「八百屋の経営でも」利益が落ちた背景を、数字を

たどれば、乾物の置き場所を変えたり、仕入れに難があったりと原因分析ができる。そんな経

営幹部の意識を変えたのは、やはり「数字」だった。日航の経営は、破綻から徐々に改善した。

10年4〜9月期の営業利益は、最高益を記録した。

「植木新社長」は、毎月の業績報告会で席にすわると、すぐに資料を1枚めくり「月次の利益

と実績と、見通しを確認した」「毎月の実績が計画を上回る。見通しを上方修正されていく」

「それが楽しくて、楽しくて数字を追うことを教えてもらったのは大きかった」。

気がつけば、稲盛
氏に批判的だった役員が、最も経営指標に敏感になっていたのです。

正に「数字は魔術」です。「数字は意識改革」となり、「物語」も、すぐに把握できるようになったのです。

正に経営は、会計を通して、問題がわかる。経営の問題は、数字を見ると、会社の物語が浮

かんでくるのです。これからの時代、経営者は数字を強くしないと大変であると思うのです。

何度となく修羅場を切り抜けてきた経営者のなかには、自らの経験やカンを頼りにした経営に

自信を持った人も少なくありません。「3K(経験・勘・コツ)」は大事です。数字に強い経営

者となることが必要です。

数字に強い人は物事を大局的に見ることができるのです。会社の数字について関心を持つこ

とです。「売上を上げる!コストを考える!利益を出すには!」「お客様がなぜ減ったのか」。

数字は会社の全てを物語るのです。

 

以上