「現状肯定から出発する」
〜船井 幸雄氏・語録







私は「過去オール善」「現状肯定」「包み込み」などという言葉を、経営とか処世の中に生かしてきました。

過去オール善」の思想は、過去のどんなことも現在や将来のための教訓であったという感謝の気持ちを生み出し、生きているということを、非常に楽にしてくれます。とはいえ、将来への挑戦意欲がなくなるわけではないので、これはすばらしい思想だと、私は思っています。

現状肯定」も同様で、現状を一つの自然として認めて、それから「よりマクロの善」を目指して脱皮すればよいのです。現状や過去を否定するような犠牲者を出さなくてもよいだけでも、すばらしい日本人の知恵ではないかと考えています。

そして、それをより進めたのが、「包み込み」の発想ということになります。

世の中は変化します。変化に応じて、新しい方向に進まなければなりません。そのときに、過去のものを全部残しておき、新しいものを付加しながら全体を変えていくのが、

オール肯定」であり、「包み込み」の発想なのです。そのうちに不要な部分は自然に欠落していくものです。それで充分に変化に耐えるというのが私の考え方です。

それに対して、頭で考えて、現状否定に立って、いままでのものをカットしたり、全部一から構成して、時流に合わせていこうという考え方があります。欧米では、この後者を採ることが多いようですが、日本ではどうもこの手法は失敗が多かった気がします。

現実に、利益のよく出ている企業は、現状肯定のうえで徐々に変えていくのが得意であって、数年経てば、この日本流は欧米流に比べてももっとも見事に変化して、よくなってきたように思います。やはり「現状肯定」から出発するのがベストな選択といえそうです。

以上