デジタルとアナログのバランス

 地上波テレビのアナログ放送が終了し、デジタル放送に完全移行した。デジタル放送となることで高品質な映像や音声、字幕放送が楽しめ、ニュースや天気予報などの情報をデータ放送で手軽に入手できるようになる。テレビに電話回線やインターネット回線をつなぐことで双方向サービスが利用でき、テレビの楽しみが格段に広がりました。(7/20産経・福地茂雄氏より)

何よりも、電波という限られた資源を有効に活用する国家的・国民的利益は大きい。だからこそ世界各国がイデオロギーを問わず、デジタル化を目指している。デジタル化はアナログを補完するもの、アナログ的なものを実現するための手段であったはずだ。今はデジタル化の言葉がひとり歩きし、それ自体が目的化してしまっているのです。

「鬼に金棒」という言葉がある。本来はアナログという鬼がデジタルという金棒を持つことで強さが倍加するはずであった。それが、金棒の方が強くなって鬼が振り回されている状況になっている。デジタル化が、進んだ半面、人間の感性が鈍りつつあるのではないでしょうか。

なかでも一番退化しているのはコミュニケーション能力だといわれている。仕事にも人生にも、アナログは生かされていくのです。「心はアナログ、仕事はデジタル」と言われます。顧客満足度を高めるには、細かな配慮で、クリエイティブできるのも「アナログ人間」が大事です。いつの時代でも、人と人とのぬくもりを感じるコミュニケーションの大切さは不変であるのです。

デジタルとアナログは対立するものではない。これからはデジタルとアナログとのバランスが、より重要になってくる。効率化や利便性向上のため手間を省き、「かたち」を整えるべきものもあります。しかし「こころ」を込めて手間をかけねばならないものもある。それを忘れてしまったデジタル化の行く末には、人間自体の退化が待ち構えているのです。

                            以上