新春講演会

1.2010年日本経済の展望(講師 東京大学教授 伊藤元重氏)

   1)我々は、マクロの目(鳥の目)とミクロの目(虫の目)ともう一つ

     潮の目(魚の目)で経営をしていく必要がある。

      …特に「潮の目」は、「時代の流れ」のことをいう。

       @日本の15歳〜65歳の生産人口は、人口の減少でこれからの20年間で京都も含
      め各都市で約30%程度減少する。

     Aこれに対して、新興国はこれから毎年10%近い経済成長が予測される。  
      …国内総生産について中国と日本を比較すると、1990年の時、中国の総国民所
      得は日本の8分の1であったのが、現在では逆に日本を追い越そうとしている。

      今後、日本の国内総生産は人口減少等で益々減少するのに対し、中国は3〜5倍に
      増えていくであろう。


     …以上のように中国等の新興国の需要が今後旺盛に増えていくため、欧米の景気の
     影響は相対的に下がっていく。したがって、
「二番底」の心配はないであろう。
     ゆっくり良くなるのでは。


        B日本では、18年前から継続してデフレギャップが続いている。
     …デフレギャップとは、実際の需要に対する潜在供給力の割合のこと。

      要は、人口減少と高齢者の消費減少が重なり、供給を満たすだけの需要がない
      こと。
      (過大供給という根雪のギャップ)例えば、JAL(日本航空)の事例がある。

   
    2)以上のような背景の中で、我々日本の経済人が取り組むべき対策は、次の3

        @もっと頑張る。…安く良い物を目指して。

     A縮小均衡に向かって、競争相手が消えるまで生き残る。

     B人と違うことをする。


    3)以下は、上記の3つの対策を実行するヒントである。


     @中国を初め今後成長する東南アジアの新興国への営業拡大を図る。
     …中国に進出している日本の企業は、普通の業種〜例えば資生堂〜が
飛ぶ鳥を落とす
      勢いで伸びている。
また、ユニチャームの紙おむつ、セコム、キリン、サントリー
      も好調である。
      
    
     A縮小均衡に向かって、これから倒産、廃業、リストラ、合併がこれから
ドンドン発
      生していくと思われる。生き残っていくためにどう対処するか戦略を練ること。


     B着物市場は、1.4兆円市場から7千億円市場へと半減したが、そこで
生き残った
      企業は、我が世の春で儲けまくっている。

      それは、まじめな経営をしていたら、競争相手がいなくなってしまった
からで
      ある。

  
     Cこれから伸ばしていける業種としては、以下の業種が考えられる。


      @)介護…これから老人が益々増えていく中、更に介護を充実する必要がある。
      
      A)医療と予防・健康 …先進国のなかで、日本は予防・健康の需要が一番低
         いので高めることが必要。


           B)環境 …太陽光発電ほかグリーン政策を遂行する。

           C)観光 …航空路線を変えて、地方の温泉まで容易に観光出来るように
             する。


           D)住宅・都市 …現在、個人金融資産が1400兆円・個人住宅資産が同様
        に1400兆円あり、これを資金源として老人にフィットした街づくりを実
        現する。




2.可能性をつくる〜発想力・創造力が企業の未来を拓く〜
       (講師 建築家 安藤忠雄氏)

     1)90歳まで、自らの「青春」を築こう。

  2)日本というブランドを持参して、東アジアを発展させよう。
    …安藤氏自身も、中国のオペラ劇場の基本設計を始めている。

  3)日本の女性は55歳以降益々元気になっているのに、日本の男性は、定年に
     なると眠って しまっている。
一方、若者は夢がなく元気がない。
        今後、あらゆる面で活性化しないと日本は沈んでしまう。

                                     以上