松下幸之助「不況克服の心得十カ条」
 第七条 人材育成に力を注ぐ

◆不況時は人材育成の好機である

無事平穏なときに、逆境に対する心の備えを忘れてはならないと戒めても、なかなか難しいのが現実である。そこで松下幸之助は、困難なとき、なかなか仕事がうまくいかないときこそ、従業員の成長があり、人が育つ好機なのだと考えていた。

「ひとたび困難に出会いますと、人は順調なとき以上に知恵も働かせ、努力もすると思うのです。その意味において、不況は人材育成の好機ではないかと思います。つまり、志さえしっかりと持っていれば、人を育て、経営の体質を強化する絶好のチャンスになると思うのです」と、語っている。

そして、部下は、「命これに従う」だけでは不十分である。経費削減にしても、上司からの指示にただ従うのでなく、自主的に創意工夫を加えて、真に実のある効果的な経費削減を行なうことが大切である。また、上に立つ者は、部下に対して自身の能力を高めるように要望するとともに、部下の意見に真摯に耳を傾けるなど、部下が育ちやすい環境をつくることが大事だとした。 

◆企業の永続性は人材育成の継続性

不況期はともすれば、当面の対応に追われて、人材育成にかける時間や費用を削りがちである。しかし、一時の人材育成の怠りは、後々大きく経営に響いてくる。人材育成の継続性なくして企業の永続性はないと、松下は考え、不況期にも人を育てることに力を注いだ。

(PHPビジネスリビューより)

                                                 
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