No.8
あなたの自己評価は?自分自身を見直す

 自分のことは分かっているようで分かっていないもの、それが人間です。他人が評価した自分と、自己評価した自分、そこには埋めがたい大きな差があります。

 古くから言われてきたもので、次のような言葉を紹介しましょう。

 「浅いようで深いのが欲、深いようで浅いのが知恵、高いようで低いのが見識、いつかはハゲるのが嘘、多いようで少ないのが分別、直ったつもりで直らないのが癖」 

 前半は自己評価に関するもので、後半が人間という存在の本質をついたものです。
  ◆「浅いようで深いのが欲」
 自分では物欲、金銭欲、名誉欲などほとんど持ちあわせていないと思っているのに、実は金に必要以上にこだわっているところがある。表面的には爽やかに金銭の出し入れをしているように見えても、その実は心の中で細かく計算して金にしがみついている。
  ◆「深いようで浅いのが知恵」
 自分は永い人生の中で辛酸をなめつくしてきたので、人の心も読めるし、その時その場で必要な知恵も十分出せ ると思い込んでいる。会社や家庭で、つい相手を見下すような態度で、ミスを厳しくついたり、小馬鹿にしたような言 い方をする。しかし自分はといえば、目先の事柄に振り回されミスを重ねているのに、振り返って反省などするはずもない。
  ◆「高いようで低いのが見識」
 自分は要所要所で誤りのない判断ができるばかりか、それなりの立派な意見を持っていると思い込んでいる。しかし残念ながら、その意見が幼稚であったり、自己中心的な私利私欲にかられたものであったりして、周囲からひんしゅくを買っていることに気がついていない。
  ◆「いつかはハゲるのが嘘」
 人はどうしても自分が可愛いために、一時しのぎの嘘をつく場合がある。確かに、その嘘によって苦しい局面をくぐり抜けることはできるかもしれないが、永い目で見ると結局その嘘はハゲるもの。その際、せっかく長年積み重ねてきた信用が、一気に崩れていく事態もありうる。端から見ても、急場しのぎの言い訳、弁解などは、決して感じのいいものではない。
  ◆「多いようで少ないのが分別」
 人は歳相応の判断、立ち居振るまいが求められる。時として常識を欠いた言動に及んだため、「あいつは非常識なやつだ」と、以後の重要な会合や役職からはずされてしまうことがある。「郷に入れば郷に従え」という諺にあるように、人には、その時その場にふさわしい言動が要求される。
  ◆「直ったつもりで直らないのが癖」
 なくて七癖といわれるように、人はさまざまな性癖、悪癖を身にまとっているもの。心中分かっていつつも、なかなか改められず、苦しんでいる向きが世に見受けられる。若い頃は気短、強情であったが、年を経るごとに気長、柔和になったと自画自賛。しかし、目の前で腹が立つことを見聞きすると、どうにも自分が抑えられなくなって、ついつい若い頃の癖を出してしまう。結局は何も変わっていない。
 いざ自分自身のこととなると、どうしても見えにくい部分が出てきます。身近な人から指摘されたことには謙虚に耳を傾け、たとえ自分に思い当たるふしがなくとも、「そういうところが案外あるのかな・・・」と受け入れ厳しく客観視していきましょう。