No.3
社長に「振り返るクセ」を!!

 松下幸之助の成功の原点がある。松下哲学の原点は、大阪・船場での奉公時代にあると言われている。五代自転車店で小僧をしていた13歳の頃。ある問屋の主人から「一割引なら買う」と約束を取り付け、勇んで帰ってきたが、主人に「一割も引けない。五分引きだ」と叱られた。
 せっかく商談がまとまったのに、「五分引きに変えてください」と言うのが嫌で、幸之助少年が泣き出したのを、お客が感心し「小僧に免じて五分引きで買う。小僧がいる間は、自転車は五代から買う」と約束した(日経ベンチャー2004.6より)。
 PHP総研の江口氏は、「実践を通じて、お客さんの喜ぶ顔が嬉しいという感覚を育んだ。その記憶が幸之助氏の顧客満足重視の原点」と話す。
 生前の幸之助氏は、江口氏によくこう語りかけた。「君、布団の中に入ったら、1時間はその日のことを振り返って、考え、検討せんとあかんで。布団に入って、すぐ寝たらあかんで」。
 実際、幸之助氏は毎晩、その日の出来事を反芻していたという。「経営の神様」と一般人の差は、日々の商売で感じた喜びや疑問について、真摯にその意味を考え抜いたことにある。

 あるオリンピック代表選手団のコーチの話である。素質のある選手は山のようにいる。
その中で、頭角を表わして、メダルを取る選手に共通していることがある。それは、練習や試合が終わる度に「今日、どこがうまくいったのか!失敗したのか!」を「振り返るクセ」を持っている選手である。「練習を終えた帰宅の電車の中で」「布団に入って練る前に」「試合が終わった控え室で」そのたびに振り返る。「何百回」「何千回」という「振り返り」の積み重ねが、長い年月を経て大きな差となる。逆にいくら素質があっても、限界のある選手は、「練習しっぱなし」「試合しっぱなし」。振り返らない選手は月日と共に成績が上がらず離れていくのだそうです。
 松下幸之助氏は「自省の心」こそ大事だと語っている。「ナポレオンは100年!200年に一回しか出ない。立派な人だな!」と・・・。
「豊臣秀吉も100年に一回の優れた人だな!」・・・。「ところが2人とも末路は失敗したな。なぜだと思う!」・・・「そらぁな、後ろに恐い人がいなくなったからや・・・。
 松下幸之助氏の言葉「その日の出来事を反芻していた」ということと、オリンピック選手の「振り返るクセ」全く同じです。
社長も経営のプロです。「振り返るクセ」を持ちましょう!