No.2
「顧客カルテ」で、患者さまをまるごと把握する
サービスの工夫をする

 ここで病院のカルテについて、考えてみます。
クリニックにある「カルテ」は、大抵1種類です。それに対して病院では2種類の「カルテ」があります。医者の書く「カルテ」以外に看護婦の書く「カルテ」があるのです。
 入院した患者さまは、たっぷり時間をかけて細かく、今までの病気の経過やアレルギーのこと、あるいは仕事や家族構成、家庭環境 、趣味などを聞かれ 看護婦の「カルテ」に記載されます。
これは患者さまとのコミュニケーションをよくするためには、絶好のツールになります。
 ではなぜ、クリニックには病院のような「カルテ」がなかったのでしょうか。答えは簡単で、時間の余裕がないからです。
先に述べたように1日60人の患者さまを診察するとなると、1人当たり8分しか時間がないので、ゆっくり話を聞いている余裕はありません。
 クリニックでは、毎月1000人くらい診療していますので、名前と顔が一致するのに大体4〜5年はかかります。それも途中で従業員が入れ替われば、また、最初から覚えさせなければなりません。
 そこで、私どもではカルテの裏表紙にスペースを設け、職員の誰でもが気がついたときや余裕のあるときに、いろいろな情報を書き加えるようにしました。
通常業務に支障をきたさないようにして、このような「顧客カルテ」を作成していくためです。
 それも、初めて来院されたときにすべてを聞き取るのではありません。段階を追って、少しずつ完成させるようにすれば、患者さまにいらぬ不安感や不信感を与えることもなく、また、職員の負担も少なくて済みます。
 最も大事なことは、職員みんながこの「顧客カルテ」に目を通し、患者さまのことを知ろうと努力し、活用していくここです。
 ただし、これはプライバシーの関わることです。当然のことではありますが、その取り扱いには十分に注意する必要があります。